Google Chrome と PGP

前の世紀末にタブブラウザブームってのがありまして、IE コンポーネントを用いたブラウザが大量に現れた時代がありました。描画性能は同じエンジンなので当然結果も同じわけで、もっぱら使い勝手に重点の行われた戦国時代だったわけです。
で、ぐぐるくろむですが、中身が Safari と同じ Webkit で外側だけ違うというあたり、それを思い出させますな。(そもそも Webkit 自体が KHTML の fork だ) まだまだプレイヤーは Yahoo に mixi 等がいるわけで、その辺もブラウザを出してくるかな。
この戦いが重要なのはおそらく、ブラウザこそが「Web とは何か」を定義する存在だからなのでしょう。SVG が Web に使えないのに、Flash は使えるのはひとえにそこらにあるブラウザ (ていうか IE) で見れるかどうかにかかっているわけで。
で、今ブラウザでできないことの一つに、暗号化回りがあります。SHA1 あたりは根性で書けなくもないわけですが、公開鍵暗号に関しては長らく絶望的でした。どれだけ絶望的って、JavaScript で生成可能な鍵で暗号化したデータが C で書いたプログラムだと一瞬で解読できるくらい。
さて、ぐぐるくろむが現れました。手元の PenM マシンだとどのブラウザでも遅かったり、Core2Duo マシンだとどれも速かったりで差がよくわからんのですが、V8 は JavaScript だけについては速いようです (DOM をまぜるとそうでもない)。
さて、ぐぐるくろむと Core2 Duo マシンで、PigPGPを動かすと 1024bit でなんと 100 秒前後。ここまで来ると結構現実的になってきますな。
あ、V8 + PigPGP で公開鍵暗号できるぜって内容じゃないので念のため。暗号系はピアレビュー受けているものじゃないと実用できないし、そもそも V8 依存するくらいだったらネイティブアプリにした方が早い。

追記: V6 じゃなくて V8
追記2: Safari4 の SquirrelFish や Opera9.6 も同クラスに早かった、驚き